SecHack365 : REPORT 2021 成果発表会

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SecHack365 2021 / 成果発表会(22/03/05)レポート /
優秀修了生インタビュー2022.04.18

SecHack365-2021 Presentation event week

成果発表会(3月5日)

3月5日(土)、2021年度の成果発表会が行われました。今年度もコロナ渦の影響でオンラインでの開催になりました。
オンラインのメリットとして、全国どこからでも参加ができるという点があり、今年度も全国各地から幅広い年齢層かつ多くの方が、成果発表会に参加してくださいました。
また今年は発表者、参加者のみなさんがより楽しめるように、Oviceで開催し、メインステージのほか、展示会会場も設置し、参加者が会場を自由に行き来したり、発表者(トレーニー)と身近に会話ができる工夫もしました。


  • 1_成果発表会開会のご挨拶
  • 2_総務省 サイバーセキュリティ統括官 巻口英司様ご挨拶
  • 3_SecHack365での取り組みいついて
  • 4_優秀作品発表者紹介1
  • 5_優秀修了生 赤松さんの発表の様子
  • 6_優秀修了生 飯田さんの発表の様子
  • 7_優秀修了生 奥田さんの発表の様子
  • 8_優秀作品発表者紹介2
  • 9_優秀修了生 平地さんの発表の様子
  • 10_優秀修了生 三浦さんの発表の様子
  • 11_優秀修了生 柚山さんの発表の様子
  • 12_あの人のイチオシ成果物1
  • 13_あの人のイチオシ成果物 2
  • 14_あの人のイチオシ成果物3
  • 15_あの人のイチオシ成果物4
  • 16_あの人のイチオシ成果物5
  • 17_コース別作品発表の様子
  • 18_表現駆動コース展示会の様子
  • 19_学習駆動コース作品発表の様子
  • 20_開発駆動コース作品発表の様子
  • 21_思索駆動コース作品発表の様子
  • 22_研究駆動コース作品発表の様子
  • 23_終了証授与
  • 24_NICT理事長徳田からの贈る言葉

トレーニーにとって、今回がトレーニーとしての最後の発表の場であり、そして初めて仲間以外の方に向け発表をする場でもありました。多くの参加者に向け、オンライン上のステージで自らの作品を発表したことは、今後のあらゆる活動において糧となりったことでしょう。SecHack365では、現トレーニーが修了生となった後も、その後の活動の成果等を発信し続けていきます。

4月の募集開始時から約1年間、苦悩し、仲間同士で切磋琢磨し、時には「成果」に囚われず仲間同士で楽しみ、そしてひたすら作品づくりに励んだトレーニーたちに、その努力が「作品」として実を結んだことを心から喜ばしく思うと共に、素晴らしい作品で私たちの心を動かしてくれたことに感謝したいと思います。

最後のレポートでは、2021年度の優秀修了生に率直な感想と各コースマスターからのひとことをご紹介させていただきます。

2022年度成果発表会ONLINE

2021年度優秀修了生インタビュー

赤松 宏紀

開発駆動コース 優秀修了生赤松 宏紀さんHiroki Akamatsu

あなたにとっての「SecHack365」を一言で言うと?
「開発力と表現力の道場」
なかなか自分では継続が難しい「1年」という長い期間で1つの作品を作り上げる中で、開発と発表準備・発表を繰り返し、開発力と表現力を鍛錬することができます。最後の成果発表でやってきたことを振り返ったときに1年前の自分との違いを実感できると思います。さらに作った作品の中に「自分らしさ」を見つけてこれからの成長の礎にできます。

01優秀修了生に選ばれた感想を聴かせてください。
たくさんのトレーニーが様々な面白い作品を作っている中で評価されたのはとても嬉しかったです。SecHack365の期間中に担当である仲山トレーナーをはじめ他のコースのトレーナー・トレーニー・アシスタンスの方から多くの助言とフィードバックを頂いて作り上げることのできた作品なのでお世話になった方々に感謝しつつ、SecHack365の経験を活かしこれからも頑張りたいです。/span>

02どんな作品を作りましたか?なぜその作品を作ろうと思いましたか?
開発環境に馴染むWebアプリ向けFuzzingツールSecHackFuzzを制作しました。 最初はカスタマイズ性の高いFuzzingツールが個人的に欲しいというところから始めましたが、SecHack365で制作を進める中でトレーナーや周りのトレーニーからの助言やフィードバックを受けて「開発環境に馴染む」「Web開発者が使いやすいように」という新たな方向性が生まれました。

03応募前から無事修了を迎えるまでの約1年間はどんな日々でしたか?
応募前は自分が作りたいものが採用されるか不安でしたが、無事採用されSecHack365での開発が始まると、自分が作っているものが本当に価値のあるものかを自問自答しながら模索するという、さらに不安で悩み続ける日々が始まります。そして1年間で開発力と表現力を鍛えることができました。 苦労した点では大学院入試と卒業論文執筆との両立が大変でした。試験などはその期間は考慮した上でスケジュールの相談ができるのでトレーナーに相談しましょう。

04SecHack365で得られたことはどんなことですか?
1年という長い時間をかけてしっかりと1つのプロダクトを作り込む経験と継続力、そして自分が作ったものの魅力をしっかりと人に伝える表現力を伸ばすことができました。

05今後やりたいことや目標はありますか?
継続してこの作品を開発し、多くの場所で使われるツールへとさらに成長させていきたいと考えています。

06SecHack365の応募を検討されている方にメッセージをお願いします
自分を鍛えてみたい!という方はぜひ応募してみてください。様々な個性をもつトレーナーやトレーニーに囲まれて切磋琢磨しながら開発力と表現力を鍛えるだけでなく、「自分らしさ」を追い求めてください!

飯田 雅裕

研究駆動コース 優秀修了生飯田 雅裕さんMasahiro Iida

あなたにとっての「SecHack365」を一言で言うと?
「研鑽の場」です。
SecHack365での活動は大凡自分の力だけでは成し遂げることができなかったであろうことの連続で、トレーナーやアシスタント方々にご協力いただきながら研究に励んでいました。作品作りに取り組む中で、たくさんの知識・技術を学ぶことができましたし、間違いなく一年前の自分と比べて大きく成長できたと確信しています。

01優秀修了生に選ばれた感想を聴かせてください。
たくさんのトレーニーがいる中で優秀修了生に選ばれたことは非常に嬉しかったです。私の作品は1月頃まで満足できる成果を得られず、一時はそもそも修了できるのかと思ったほどでした。ですが、トレーナー、トレーニーやアシスタントの方々に様々なアドバイスを頂くことで何とか形にすることが出来ました。ご支援頂いた皆様には本当に感謝しています。

02どんな作品を作りましたか?なぜその作品を作ろうと思いましたか?
キーボードの打鍵音をマイクで拾い、入力された日本語や英語のテキストを復元する攻撃手法について研究を行いました。きっかけはオンライン授業やオンライン会議において相手の音声からキーボードの打鍵音が聞こえることに気づいたことで、先行研究を調査したところ日本語に対する攻撃は検証されていなかったため、この研究を始めました。

03応募前から無事修了を迎えるまでの約1年間はどんな日々でしたか?
学部4年なのに応募してしまったため、非常に忙しい1年間でした。SecHack365では作品作りだけでなく、ポスターや動画制作も行うため、纏まった時間の確保が必要です。中々時間が確保できず提出が期限間近になってしまうこともあり、毎日タスク管理に苦労していましたが、今振り返ってみると良い経験になったのかなと思っています。

04SecHack365で得られたことはどんなことですか?
SecHack365では多くのことを得ることができましたが、特にチャレンジ精神が得られたのではないかと思います。
勿論、これはトレーナー、アシスタントやトレーニーの方々の手厚いフォローがあったからこそではあるのですが、研究会への論文投稿をはじめ、とにかく手を動かし様々なことにチャレンジするようになりました。

05今後やりたいことや目標はありますか?
漠然とした目標ですがSecHack365での経験を生かして、何か世の中の役に立つセキュリティ対策支援のためのソフトウェアやハードウェアを作りたいと思っています。また、SecHack365で取り組んだ研究についてはまだやり残したことが多くあるので社会人になってからも細々と続けていきたいと思っています。

06SecHack365の応募を検討されている方にメッセージをお願いします
とりあえず応募しましょう!!
SecHack365には優秀なトレーナーとアシスタント、そしてトレーニーがおり、そこに属するだけでも多くの刺激を受けることができるかと思います。1年間と非常に長いハッカソンですが、同じテーマに1年間も没頭でき、そしてそれを支えてくれる方々がいる環境ははそうそうあるものではありません。少しでも興味のある方は是非応募してみてください。

奥田 宗太

思索駆動コース 優秀修了生奥田 宗太さんSota Okuda

あなたにとっての「SecHack365」を一言で言うと?
「未知との遭遇」
SecHack365は「未知との遭遇」の場でした。情報科学が専門ではない自分にとって、SecHack365の中で語られる言葉は半分以上初めて聞く言葉でした。結局まだ分からないことだらけではありますが、"セキュリティ”という世界がある。ということを解像度高く認知できたこと、そしてその世界に住む方々とそこに足を踏み入れ、実際に手を動かして作品を作ることができたはとても尊い経験です。自分の周りのコミュニティでは絶対に出会えない方々とご一緒できて、世界が少し広がった気がしますし、自分の研究領域でも”セキュリティ”を加味して研究できる人はきっと少ないので、面白い研究ができる気がしてきました。

01優秀修了生に選ばれた感想を聴かせてください。
優秀修了生に選ばれたときは、まず驚きがきて、その後にじわじわ嬉しさが湧いてきました。自分が今回実装したものはSecHack365に参加して初めて触ったものが多かったので、少々荒削りの作品となりましたが、自分が大事にしてた背景の世界観が評価されていたみたいで皆さんが自分の妄想に共感してくれたことがとても嬉しかったです。

02どんな作品を作りましたか?なぜその作品を作ろうと思いましたか?
ヒトの遺伝情報がもっとライトに、使われる社会にするために、遺伝情報の利活用を自分の遺伝情報をその遺伝情報を保有しているヒトが管理できるようにするための秘密計算とブロックチェーンを合わせたプラットフォームの構想と、ブロックチェーン上で遺伝情報の利用権を申請、許可し実行を指示するスマートコントラクトを実装しました。
遺伝情報は誤解を恐れずいうと、そのいきものの設計図であり、ソースコードでもある究極の個人情報で、さまざまな情報をそこから得ることができます。そろそろヒトゲノムの全塩基配列も簡単に解読できる時代が到来すると思いますが、そのときにそのデータを自分で持って、自分で利用方法を決められるような世界にしたいなと、今やらないとまずいなと思ったのがきっかけです。

03応募前から無事修了を迎えるまでの約1年間はどんな日々でしたか?
この一年間自分は好き勝手に自分が作りたい未来についてただひたすら妄想していました。10月くらいまでは自分が作りたい世界はどんなものなんだろう、何が必要だろうかということについて大きな風呂敷を広げることに全力を注いでいました。
自分が最もしんどかったのは、秋に入った頃でした。荒削りの作品をこれからどう伸ばしていこうか、本当に価値があるのだろうかと悶えていました。加えてちょうどその頃研究室に配属され朝から晩まで実験室で大腸菌と会話する日々が始まりました。「TypeTalk(SecHack365内部で使っているコミュニケーションツール)をアンインストールすれば全てから解放されるのになぁ」と思うところまで来ていましたが、その時期のトレーナーさんと 1 on 1 中に「もうちょっと、やってみようよ」の一言で、なんとか乗り切れました。

04SecHack365で得られたことはどんなことですか?
SecHack365では"自分のものさし"の作り方を少しだけ得られた気がします。
暮らしの中で、分からないものに対峙した時、どれだけ自分の頭で思考しているでしょうか。僕はググって済ませてしまいます。一つの絶対的な説明ができるもの(1mは100cmなど)についてはそれで良いかもしれませんが、普段使っている言葉などの意味や定義をどれだけ説明できるでしょうか?その事実を突きつけられ、自分がいかに曖昧で他者の定義づけに支配されているかを知り、より広い意味で"自分の頭で考える"ことの大切さに少しだけ触れた気がします。
得られた気がしているだけなのでもしかしたら明日にはそれを失って路頭に迷うかもしれませんが(笑)

05今後やりたいことや目標はありますか?
僕は今後積極的に、wet(いきもの)とDry(コンピュータ)の狭間を行ったり来たりしながら、生き物が持つシステムの潜在価値を最大限発揮するような世界を作るのが夢です。そのために、引き続き大学、大学院では合成生物学を中心にいきものを設計し、理解することにつとめ、またもう一つの軸として、コンピュータの力を借りて”いきもの”の仕組みやリソースをどう活用するか、考えていきたいと思います。

06SecHack365の応募を検討されている方にメッセージをお願いします
主観ですが、SecHack365に応募する時にはセキュリティについて単語を聞いたことがあるなというレベルで良いと思います。SecHack365内では難しいことを習ったり、ややこしい実装をしたりというものはプログラムとして提供されません。その代わり、"いいエンジニアになるには?"、"セキュリティとは何か。どういう考え方のものなのか"ということがふんわりわかって、それが自分の分野にどう活かせるかということを考え始めるきっかけになります。
もしもSecHack365に晴れて参加できたなら、そこには法律の範囲内で道理が通っていれば何をしても許容される環境と、僕らのような若造のアイデアを育むためにありとあらゆる手を尽くしてくださる先人たち、そして共にアイデアを形にするつよつよな仲間がいます。是非騙されたと思って応募課題を開いてみてください。

平地 浩一

開発駆動コース 優秀修了生平地 浩一さんKouichi Hirachi

あなたにとっての「SecHack365」を一言で言うと?
「視野を広げてくれる場所」
SecHack365ではセキュリティという枠にとらわれず本当に多くのことを学びました。多種多様なトレーニーとの交流やイベントの参加を通して今まで知らなかった技術や人など多くの出会いがありました。参加前と比べると本当に比べ物にならないほどいろいろなことを知り、より多くのことに興味を持ちとても視野が広がりました。

01優秀修了生に選ばれた感想を聴かせてください。
率直に優秀修了生として選んでいただきとても嬉しかったです。活動を始めたときは具体的にまとまっていない状態からのスタートで、最終的にここまで形として持ってこれたのはトレーナー、アシスタント、トレーニーの方々のアドバイスや手助けのおかげだと思っており、とても感謝しています。

02どんな作品を作りましたか?なぜその作品を作ろうと思いましたか?
私はブロックチェーンにおけるトークンをWeb開発者が手軽に発行・活用できる「Seknot」というプラットフォームを作りました。
ブロックチェーンはとても面白い特徴を持った技術ですが、Web開発者が新たにトークンを活用したアプリを開発しようとしても大きな技術的なハードルがあるため、深い知識がなくても手軽に導入することができるようにしたいと思い、このプラットフォームを開発しました。

03応募前から無事修了を迎えるまでの約1年間はどんな日々でしたか?
本当に試行錯誤の1年間だったと思います。
始めはとりあえず手を動かすことからでしたが、途中で方向性が見えなくなり悩んだ時期もありました。
それでも、多くのコメントやフィードバックを経て、少しずつ最終的な方向性を模索しながら開発を続けていきました。そして、試行錯誤しながら開発をしていく中で最終的な方向性が少しずつ見えてきたように思います。
また、イベントデイの前などはデモを発表に間に合わせるために本当に開発漬けの生活を送っており、とても大変でしたが、そうした開発の中で大きな学びや達成感もありとても楽しい1年でした。

04SecHack365で得られたことはどんなことですか?
得られたことはとても多いですが、特に感じたのは「作品の見せ方」です。
特に、どういった世界をつくりたいのか、誰が幸せになるのかという部分を意識しながら発表資料や開発を進めていくことによって、知識がない人にとっても作品の魅力を感じてもらえるよう意識しました。
また、あまり馴染みが深くない先端技術をどうすれば分かりやすく説明できるかという部分で、図や例えをうまく活用してイメージとして頭に残すというアドバイスはとても参考になりました。

05今後やりたいことや目標はありますか?
これまでの1年間を通して得られた知見や経験をまとめて作品と共に形として残していきたいと思っています。特に、作った作品を実際に使ってもらうためより良い提供方法の模索やドキュメントの充実などを進めて行こうと思っています。
また、今後もSecHack365を通過点として分野に囚われずいろいろなものづくりの挑戦していきたいと思っています!

06SecHack365の応募を検討されている方にメッセージをお願いします
SecHack365ってセキュリティにツヨツヨな人ばかりで本当に自分でも参加できるのかという不安はあると思います。自分も参加する前はそうでした。ただ、実際に参加してみると思っていたよりもセキュリティという固定イメージに囚われず、本当にいろいろなことに挑戦していてとても面白い環境でした。特に私は参加する前は、サーバーセキュリティに関してほぼ知識がない状態でしたが、逆にSecHack365への参加を通じて学習しとても興味を持ちました。
もし何かやってみたいことがあるなら、是非それをSecHack365で挑戦してみると良いと思います。全くセキュリティに関係ないと思うようなことでも、まずは応募してみるのが第一歩です!思っていたよりもセキュリティはとても広く面白いものでした。

三浦 大輝

学習駆動コース 優秀修了生三浦 大輝さんDaiki Miura

あなたにとっての「SecHack365」を一言で言うと?
「ものづくりを加速させてくれる場所」
トレーニーやトレーナー・アシスタントの方々から刺激やフィードバックを受けながらものづくりを行うことで、一人でものづくりをするよりも質の高い作品を作ることができました。
私が参加した学習駆動コースでは、とりあえず手を動かしてみて、手を動かした結果に何かアイデアを追加するような流れで作品づくりを行なったのですが、この作品づくりの流れがとても良かったです。自分一人でものづくりをしていると、ある程度完成した作品にさらにアイデアを追加しようとはあまり思わないし、何かアイデアを追加しようと思ってもそのアイデアがなかなか思いつかなくて結局追加するのを辞めてしまうと思うので、SecHack365でものづくりをすることで一人でものづくりをするよりもさらに完成度を高めることができたと思います。

01優秀修了生に選ばれた感想を聴かせてください。
面白い作品が数多くあった中、優秀修了作品に選んでいただきとても嬉しいです!
一年間切磋琢磨して一緒にものづくりをしてきたトレーニーの方々と、アドバイスをいただいたトレーナー・アシスタントの方々にとても感謝しています。

02どんな作品を作りましたか?なぜその作品を作ろうと思いましたか?
「Rune ~CPUの特権命令をユーザープログラムへ安全に公開するための仕組み~」というタイトルで、RISC-Vのハイパーバイザー拡張を使ってCPUの特権命令をユーザープログラムへ安全に公開する仕組みと、その仕組みを使ったアプリケーションとしてサンドボックスを実装しました。元々RISC-Vに興味があり、RISC-V関連で何か作ってみたいと思って命令セットの仕様などを調べていたところ、ハイパーバイザー拡張という面白い拡張があったのでこれを使って作品を作ってみようと決めました。

03応募前から無事修了を迎えるまでの約1年間はどんな日々でしたか?
私は社会人で、会社で働きながらSecHack365に参加しました。大体平日の昼間は仕事をして、平日の夜と土日の空いている時間にSecHack365の作品づくりを進めるような日々でした。応募前は、会社で働きながらの参加だと時間が取れなくて作品を完成させることができないのではないかと少し不安を感じていましたが、いざ始まってみると自分が作りたいものを作るだけ(好きなことをやるだけ)なので、時間が取れないということはなく、自然と時間を確保することができました。

04SecHack365で得られたことはどんなことですか?
作品づくりを通してエンジニアとして技術的に成長できたのはもちろんのこと、1年を通して作品に関して発表する機会が多かったため「相手に物事を伝える技術」も磨くことができました。私の作品はCPUやOSに近いレイヤー (いわゆる低レイヤー) の作品だったので、前提知識のない相手に作品のことを伝えるのが難しかったのですが、最終発表会ではなんとか自分の作品を伝えることができました。
SecHack365参加前は、自分の興味の赴くままにものづくりをして自分の手元でコードが動けばそれでいいと思っていましたが、SecHack365に参加して、せっかく何か作ってもそれを他の人に使ってもらわないともったいないので、作品を作ることと同じくらい相手に自分の作品を伝えることは重要なのではないかと思うようになりました。

05今後やりたいことや目標はありますか?
まだ今回の作品で機能追加したい部分があり、まずはそこを完成させたいです。
今回の作品がひと段落ついたら、引き続き面白いものを作って、作ったものを公開することを続けていきたいと思います。

06SecHack365の応募を検討されている方にメッセージをお願いします
1年という長い時間をかけて、フィードバックを受けながら自分が作りたいものを作れる機会は中々ないと思うので、応募を検討されている方はぜひ応募されると良いと思います!
もし私が来年も参加できるならもう一度参加したいくらい充実した一年間でした!

柚山 大哉

学習駆動コース 優秀修了生柚山 大哉さんDaiya Yuyama

あなたにとっての「SecHack365」を一言で言うと?
「エンジニアのはじまりの地」
私にとってSecHack365は「エンジニアのはじまりの地」です。私は今年度、SecHack365からはじまる面白イベントの連続を乗り越え、ソフトウェアの開発以外にも職の獲得や大人との交流、発表や講演などを経験しました。"SecHack365からはじまる面白イベントの連続"というのは、SecHack365に参加するとそれ以外のセキュリティイベントにも参加したくなり、ついつい参加してしまうのです。私はそれらを通してエンジニアとして働くということを少しだけ理解できた気がします。
また、私はSecHack365に参加するまで自分が面白いと思うプログラムばかり作っていましたが、SecHack365では社会にどう有用かということを自然と考えさせられ、自分の趣味と社会をつなげられたように思います。
それらのことから、SecHack365は「エンジニアのはじまりの地」であると考えています。

01優秀修了生に選ばれた感想を聴かせてください。
とても嬉しいです。優秀修了生に選ばれることは活動中から1つの目標としていました。私の作品は「車輪の再発明」と言われがちなテーマであり、どう新規性や特徴を出すかということをトレーナーと考えて実装していたので、それが評価されて大変うれしいです。お世話になったトレーナーやアシスタント、トレーニーの方々には大変感謝しております。

02どんな作品を作りましたか?なぜその作品を作ろうと思いましたか?
私は「CURONOS」というソフトウェアルータをオペレーティングシステムのレベルから全て開発しました。応募当時はコンピュータのネットワークに興味があり、ルータを買ってきてつなぎ合わせてネットワークを構築するのが面白いと感じていました。そこで、売ってるルータを使うのではなく、自分で作って中身はどのように実装されているのかを理解できたら面白いのではないかと考えて、この作品を作ろうと思いました。

03応募前から無事修了を迎えるまでの約1年間はどんな日々でしたか?
応募しようと決めてからはなかなかテーマを思いつかず、応募書類を書き始めたのは締切日の早朝でした。当時、ネットワーク機器に興味があったので、たまたま思いついて「ソフトウェアルータを作ります!!」と書いて応募しました。その後無事に合格をいただき、開発が始まりました。始まってからはOSとネットワークの機能の開発を続けました。OSを作るのは難しく、自分では解決できない問題が起き、トレーナーとビデオ電話をして早朝まで問題解決に取り組むことが何度もありました。夏が終わるあたりでルータっぽくなってきて、正月前に大学からグローバルネットワークのサブネットを借り、インターネットでの運用を開始しました。それからは何をこの作品の特徴とするかを考え、実装を繰り返して、無事修了を迎えました。

04SecHack365で得られたことはどんなことですか?
成果物と、成果物を作る技術力、開発の過程で出会った人々との関係です。
1年前はルータをOSから全部作るとは言ってたものの、作れる気がしなかったですし、何を作っていいかもよくわかってなかった気がします。この成果物を完成させられたことは間違いなくSecHack365に参加して得たものだと思います。
そして、この開発の過程で多くの人と出会うことができました。SecHack365の方々、大尊敬していた大先生、成果発表会でお話しした多くの方々と知り合えたのはSecHack365のおかげだと考えています。

05今後やりたいことや目標はありますか?
ルータ開発の今後については、高速化と多機能化があります。SecHack365の期間、このルータの高速化についてはいろいろ考えていましたが、実装まで力を入れることができなかったので、今後数か月でこの思いついている高速化のアプローチを実際に実装して性能を測定してみたいです。多機能化については、既存のLinuxなどで動作するルーティングデーモンを動作できるような機構の開発を頑張りたいです。
それ以外には、稼働させる拠点を増やしたり、「CURONOS」の作り方を公開したりなどを行いたいと考えています。
また、この1年間は研究室で論文を書いたりしていなかったため、今年は関連した論文を書いて発表することも目標としています。

06SecHack365の応募を検討されている方にメッセージをお願いします
SecHack365は作りたいものの開発をプロがサポートしてくれる面白いハッカソンなので、ぜひ応募してみてください!!
もう作りたいものがある場合は、課題の作文に自分のやりたいこと、作りたいものをありったけ詰め込んだ文章を提出してみましょう。作りたいものがない場合、その場でなんとか作りたいもの考えて応募しましょう。SecHack365は応募時点で作りたいものを聞いてきますが、作りたいものを考えさせられる機会はあとから与えられますし、参加者の多くは課題の作文に書いたことと違うことを最終成果としているので、応募時点でテーマがはっきり決まってなくても問題ありません。

コースマスターからのひとこと

表現駆動コース
今 佑輔
  • 佐藤 公信
トレーニーのみなさま修了おめでとうございます。

なんだか、どこかの高校の先生のような書き出しですが。
表現駆動コースは、イノベーションは、一人で創り出すことは難しいという考えに立って運営されているわけです。1年間グループでサービスを創ってきましたがどうだったでしょうか?今年度の募集では、ハスラー、ハッカー、ヒップスターという役割を宣言してもらいましたが、それぞれの役割で何をしないといけないのか、とか、人との関わりの距離を見つけ出せたでしょうか?ハスラーは、社会の問題を見つけ出し、その問題を解決するビジョンを示せましたか?ハッカーは持つスキルをフルに発揮できましたか?ヒップスターは、クリエイティビティを支えられましたか?
数々のアニメーションを生み出すピクサーでは、作品が世に送り出された後、反省会をひらき、どんなポジションの人でも必ず反省点を共有するらしいです。そういった反省が次の素敵な作品につながってゆくという話で。なにかの節目になるために反省会をひらくのもいいんじゃなかと、この話を聞いて思っています。
では、最後にですが、みなさんが創り出すセキュリティ分野でのイノベーションを期待しています。

学習駆動コース
今 佑輔
  • 坂井 弘亮
まずはSecHack365での作品づくり,おつかれさまでした.

学習駆動コースのコンセプトは、作りたいものを作っていく中で、付加的に何かの勉強を行うことで、作っているものに対して何らかの新しいアイディアなどを追加できればいいよね!というものでした.つまり作品作りというアウトプットは重要なのですがそれだけでなく、自身に対するインプットもしてみるという欲張りなものです。

さて実際に何かしらのアイディアは出たでしょうか、どうでしたでしょうか。

まあもともとそれによって新しいアイディアが出るかどうか、学習したことが実際に役に立ったかどうかというのは偶然的要素が強いので、たとえ出なかったとしてもそれはそれで良いです。何かを学習するというのは、そういうものですので。

でもそのインプットは、おそらく自身に対しての資産にはなっているので、いずれどこかで役に立つこともあるかもしれません。

修了後は、学習したことをいかにして役に立てるかのアイディアを考える、というアイディア出しをぜひ、やってみてください。学んだそれが役に立つのを待っているだけでなく、学んだそれを役に立てる方法を自分で考える、ということです。学ぶときは役立つかどうかは意識せず興味本位でやるのがいいのですが、学んだ後にその知識をいかにして役立てるかを考えるのは、自分です。いや考え付かなくてもいいんだけど、それを思いつけると楽しいです。

そういう考える習慣がつくと、学習することも楽しくなってきます。今は役に立たなそうでも、いずれ役に立つように自分「が」できると思えるようになるからです。

開発駆動コース
今 佑輔
  • 川合 秀実

私が最近思うこととして、トレーニーの皆さんは最初からプログラミングのお行儀がいいなあ(良すぎる)と思います。 何のことを言っているのかというと、最初はもっともっと汚いプログラムを書けばいいのにって思うのです。 新しい何かを作るとき、きれいなプログラムを心がける必要なんてなくて、とにかく動けばいいんです。 それで自分のアルゴリズムでいけるのかどうか確認するんです。 それでうまくいったら、リファクタリングして書き直すのです。その時は好きなだけきれいにしましょう。 これが私の考える最強の開発スタイルです。

自分のアイデアがうまくいくかどうかわからないようなときに、きれいに書くのは無駄です。 そのプログラムは結局没になるかもしれないのです。そんなものをきちんと設計しても時間がかかるだけです。 まずはアイデアのコアがうまく動くことを確認できればいいんです。その先を考えるのは、動くのを確認してからで十分です。 とにかく些細なことでも雑なプログラムを書いて試してみる、この習慣がプログラミングの基礎力を鍛えてくれます。

リファクタリングの際には、おおむねアルゴリズムの全体が見えています。 こうなってから設計すれば、かなりいい設計が短時間でできるはずです。

私の印象では、多くの人たちは最初からきれいに書こうとする上に、リファクタリングをなかなかしない傾向がある気がします。 リファクタリングはするべきです。何回でもするべきです。 私の持論では、リファクタリングをやった回数が、そのまま実力に比例すると思っています。 それくらいにリファクタリングは大事です。数学で言えば、よりエレガントな別解を探すことに相当していると思います。 リファクタリングを前提にしているからこそ、最初は雑に書かれるべきなのです。

研究駆動コース
猪俣 敦夫
  • 猪俣 敦夫

レガシー、何故だか東京オリンピック・パラリンピックを終えてから当たり前に使われるようになった少し分かりにくい言葉である、簡単に言うと伝承のような意味。SecHack365はモノづくりそのものであるが、その裏にはモノづくりの「伝承」も生み出していることを記しておきたい。伝承、すなわちノウハウこそが次の世代を手助けする知恵となり、そしてトレーニーたちや運営事業者たちが指導や運営の「ノウハウ」を次に伝えていくという連鎖となりうる。詳しくはここで書かないが、我々人類が描く未来が過去によらず現在の状態のみで決定されるというマルコフ連鎖について調べてもらうと、私が伝えたいイメージをより掴みやすくなるかもしれない。

最終目標はイグノーベル賞とは言い過ぎと言われるかもしれないが、物作りにも研究という過程はあっても良いのではないだろうか、という私の妄想とワガママから研究駆動コースを立ち上げさせてもらい早3年が経とうとしている。そして世界中の誰もがおそらく想像すらしていなかった禍での指導となった今、せめて一度くらいはトレーニーたちがリアルな舞台に立たせたかったというシンプルな願いですらそれも叶わずにいる、が、もしかしたらそれは私の単なる驕りなのかもしれない。禍の無い元の時代であればもっと良い成果が出ていたのであろうか、答えは実に単純明快、そんなことはない。今年のトレーニーたちも素晴らしい成果を生み出してくれた、ある意味、もうこれ以上望むものはないぐらい成長したトレーニーたちをネット越しとはいえ、そのすぐそばに居させてくれたことを素直に感謝したい。

最後に、身勝手と言われるかもしれないが私はコースマスターを降りることとした、この理由は描いていた研究というモノづくりの土台が一通り完成したからである。そして次は飛躍である、これは更なる見えぬチャレンジと成長を期待して次のコースマスターに無責任にも託すこととした。ともあれトレーニーたち、そしてSecHack365を支えてくれた全ての方へ「ありがとう」を伝えたい。

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