3rd Event Week レポート
SecHack365 2021 / 3rd Event Week2021.12.20
2021年8月7日(土)~8月28日(土)に第3回のイベントウィーク&イベントデイが開催されました。
イベントウィークでは、前回同様にコース毎のコースワークとは別に、「zoomでトレーナーを囲む会」を実施しました。
以下が実施された内容ですが、どのタイトルも興味を引くものばかりで、トレーナーの個性が伝わってきます。夏休み期間ということもありますが、この時間はコミュニケーションや作品作りの土台ともなる、SecHack365の中でも重要な時間でもあります。できるだけ参加して十分に活用して欲しいところですね!
8月8日(日)14:00 - 15:30園田トレーナー「ロジカルにアイディア量産に迫る」 アイディア、発想というと天才の秘術、というイメージがありますが、くぼたつ先生が平易な表現でいろいろ提示されているように、実はけっこうロジカルな思考法を使っています。この時間はくぼたつ先生とはまた違う表現でそのあたりを紹介し、それを踏まえてみなさん自身の発想の再現性を高めるために分析セッションを試行しようと思います。
8月10日(火)18:30 - 20:30今トレーナー、和田 克之氏(ゲスト)「家庭のIoT機器を守ろう!〜VBHNの開発の裏側〜」 (ウイルスバスター for Home Network)の製品を海外のチームと連携しながらリリースするまでのベンダーとしての職種の一つPM(プロダクトマネージャー)のお仕事をご紹介。製品企画や、トレンドマイクロのモノづくりの一端をご紹介(予定)
8月11日(水)18:30 - 20:30今トレーナー「フォレンジックの現場から(兼 愛でる会答え合わせ会)」 フォレンジックを通してみるセキュリティインシデントの現場の話。マルウェアともう少し深く戯れるために、メモリフォレンジックの話(ご希望の方は簡易ハンズオン)。(はじめに前回の答え合わせを実施します。)
8月17日(火)18:00 - 19:00花田トレーナー「はじめての開発プロジェクト」 はじめて開発プロジェクトに取り組む方へ向けて、SecHack365の活動を通じてこれから起こるであろう近未来を疑似体験できる会です。アプリケーションやシステムの開発では、「プロジェクト」として開発を進めることがあります。この会では仮想プロジェクトのロールプレイ演習を通じて、アプリケーション開発に必要な局面(要件検討~設計~開発~テスト~サービスイン等)を疑似体験できます。今まで開発を経験したことが無い人でも、この会を通じて「今後の開発で自分(達)が必要なこと」「この先に待ち受けている落とし穴への対処法」「面倒くさい管理を楽にする方法」等を学べます。話者は数多くのプロジェクトをプロジェクトマネージャーとして経験していますが、管理ってたったこれしかしていないの?のようなコツもお伝えしようと思います。
8月17日(火)19:00 - 21:00服部、横山、西尾トレーナー「起業/副業/ビジネスを囲む会」 起業経験をお持ちの服部さん(経営者!)、学生の頃からIT系アルバイトを経験してフリーランスをしている西尾くんをお招きして、起業やビジネスのリアルについての囲む会を実施します!経営の視点、フリーランスやアルバイトとして取り引きの視点など、技術を価値に変えることをお話しできればと思っています。みなさんの質問や関心に基づいて進行したいと考えています、当日は対話もよろしくお願いします!
8月22日(日)18:00 - 20:00北條トレーナー「刑法の基礎的な理解のための解説+不正指令電磁的記録作成等罪の解説+コインハイブ事件における地裁・高裁判決の解説」 現在、最高裁に上告中の注目すべき事件であるコインハイブ事件について、適用されている罪である不正指令電磁的記録保管罪を含む刑法の条文 第168条の3と第168条の2を中心にガチで解説
8月23日(月)19:00 - 21:00猪俣トレーナー「暗号を囲む会」 いや知った気になっていないか、いやそれでいいんだよ、暗号を語ろうじゃないか
イベントデイ(8月21日・8月28日)
Day1(6月19日)プログラム01オリエンテーション
02小さな発表会 Round1
03法律・倫理「著作権法について」園田トレーナー・北條トレーナー
04小さな発表会 Round2
05習慣化
06お遊戯会
01オリエンテーション
02ゲスト講演 洲崎 俊(すざき しゅん)氏
03小さな発表会 Round3
04小さな発表会 Round4
05お遊戯会
06『ytel先生のスベリ芸に学ぶメンタルトレーニング』
8月21日と28日にSecHack365 2021 第3回イベントデイが開催されました。本イベントデイのメインプログラムは「小さな発表会」です。
SecHack365がスタートしてから3か月経った今回、トレーニーたちの作品作りにおける現状の共有と相談の機会として実施しました。
今回に至るまで、他のコースのトレーニーたちがどんな作品を作ろうとしているのか、トレーニー同士で作品の内容やその進捗を知るのは初の機会となります。
SecHack365は、トレーニーとトレーナーを合わせると参加者は約70人。
作品は個人やグループで主体的に作りますが、参加者からの意見やアドバイスを貰ったり、質問を受け、それらを作品に活かすといった意味では、70人みんなで作品づくりを進めているとも言えます。
作品作りの途中で、その作品について発表することは、「考えがまとまっていない」「自信がない」などの理由から、緊張やプレッシャーに感じることもあります。でも、途中だからこそ、発表や相談を通じて、次につながる「何か」を多く得られる機会だとも思います。
SecHack365では、作品作りの途中で何度も発表をする機会があります。発表の度に、時に厳しく、時には優しい、一つ一つの作品がより良いものになるようにと真剣に想い、考えながら提供される仲間からのアドバイスは、毎年多くのトレーニーの糧となり、作品作りを加速させるのにも役立っています。
苦手だった発表が、いつしか快感になっているトレーニーもいるかもしれませんね。
今回の「小さな発表会」は、事前に各自で収録いただいたビデオ(動画)を用い、少人数グループに分かれて発表を行い、密に意見を出し合ってもらいました。
ビデオでの発表のメリットは、「対面での発表と比較して緊張が少ない」という点ですが、ビデオ撮影そのものが初めてでわからない事だらけで苦労をした方もいたようでした。
また、「撮り直しが可能でこだわりを追求できる」という点においては “もっと上手く説明したい”などの欲求が出てしまって、メリットにもデメリットにもなったようです。
こうしたこだわりの試行錯誤は、数か月後に振り返るととっても良い経験になっていることが判明するのだと思います。
そんな試行錯誤の末のビデオを使って小さな発表は行なわれました。
発表の中では、なぜその作品を作ろうと思ったのか、解決したい課題はどんなものかも含めてお話いただきました。
自分の作品を「他者にわかるように説明する」と言った経験を通じ、ぼんやりしていたアイデアがより明確化できたり、短時間で作品を説明することの難しさを実感したり自分や自分の作品を振り返る良い機会になったようです。
トレーニーの感想※イベントウィーク&デイ後のアンケートから抜粋
さて、小さな発表会以外のイベントデイコンテンツについても簡単にご紹介させていただきます。
倫理セッション:「著作権法について」
今回も、法律と倫理について北條トレーナー、園田トレーナーから講義を実施いただきました。今回のテーマは、「著作権法」についてです。
SecHack365のトレーニーたちに関連するものとして、コンピュータ・プログラムも著作物の対象となります。そんな身近だけれども難しい著作権法に関する基本的な内容について具体例を用いて解説いただきました。
著作物の種類、著作権法違反とはどういったものがあるのか、著作権侵害をしてしまったらどんな罰則があるのか、自由に使える著作物はどんなものがあるのかなどについて学びました。
トレーニーの感想※イベントウィーク&デイ後のアンケートから抜粋
現時点での作品をちょっと共有「お遊戯会」前回に続き今回もお遊戯会を実施しました。今回は、修了生を代表して「ふじしゃん」こと藤原さんと、トレーニーを代表して湯浅さんのお二方が発表をしてくださいました。
藤原さんからは、自身のトレーニー時代の作品やその過程での出来事について、今まさに作品作りに奔走しているトレーニーに向けて等身大のお話しをしてくださいました。
その中でも興味深かったのは、藤原さんのモチベーション維持の方法です。その方法とは、自身のSNSのフォロワー人に対して「今日やること!」を日々投稿することで自分を追いこんでモチベーションを維持していたそうです(驚)モチベーションの維持は中々難しいものですが、誰かに意思表明をすることでモチベーションを保つのもいい方法ですね!
トレーニー代表の湯浅さんは、同日もちろんご自身も「小さな発表会」で発表をしていました。でも、小さな発表会だと十数人にしかみてもらえないけど、お遊戯会であれば、より多くの人から作品に対して意見をもらえるということで、自身の作品をより良いものにするために、お遊戯会でも発表をと、思ったそうです。思惑通り、小さな発表会ではもらえなかった意見をもらうことができ、有意義な発表となったようです。
トレーニーの感想※イベントウィーク&デイ後のアンケートから抜粋
習慣化今回も佳山トレーナーより、習慣化の振り返りとフォローアップを実施しました。
習慣が身に付いてきた人、習慣化が苦手な人が以前より明確になってきた印象もあります。
習慣化することは簡単ではないですが、みなさん前向きに取り組んでいるようです。
トレーニーの感想※イベントウィーク&デイ後のアンケートから抜粋
特別講演:「ペネトレーションテストの現場から見えるもの」洲崎 俊 氏(三井物産セキュアディレクション)Day2にて洲崎 俊 氏に現役セキュリティエンジニアとして、「ペネトレーションテストの現場から見えるもの」と題し、現場から感じたこと、ご自身のキャリアについてお話いただきました。
洲崎さんの現在のお仕事は、ペネトレーションテスト(システムの脆弱性を探すセキュリティテスト)のサービスで、いわゆる「RedTeam」と言われるセキュリティエンジニアのお仕事とのこと。洲崎さんは15年ほどこの仕事をされていて、ご自身にとって天職だと思えるほど楽しんで仕事をされているそうで、きらきら目を輝かせながらお話をしてくださいました。洲崎さんが携わられている仕事の魅力や従事者としての視点、ペネトレーションテストから見えるセキュリティの難しさ等サイバーセキュリティの仕事についてわかりやすく、具体的で生々しいお話をしてくださいました。
セキュリティの意識は徐々に高まりつつありますが、その管理等における問題点を鋭い視点で読み解いてくださいました。
セキュリティの仕事をする上で、攻撃側の知識をもっておくこと、また、システムを開発する際に、上流工程でちゃんとセキュリティのことを考えておくことがセキュリティ対策にとっては重要だともおっしゃっておられました。
セキュリティの仕事に興味を持っているトレーニーにとって将来の仕事像を思い描ける講演だったのではないでしょうか。
トレーニーの感想※イベントウィーク&デイ後のアンケートから抜粋
アシスタント企画『SecHack365は俺らのものだ』今回までのイベント回の様子をみていた修了生であるアシスタントのみなさんが、SecHack365事務局にズバリ切り込んで来ました!
その内容とは「今年のSecHack365は、オンライン開催ということもあるがトレーニー同士の交流が不十分なのではないか、存分に楽しめていないのではないか。」というものでした。
叩きつけられた果たし状には、「今回のアシスタント考案のプログラムがよければ次回以降はアシスタントがSecHack365を乗っ取る!」という内容が書かれていました。
今回のアシスタントの企画テーマは「お互いをより知ってもらう」というもの。
背景には、「横のつながりが薄く、トレーニー同士でわいわいできていない。」「SecHack365の楽しさを享受できていないのではないか」ということがあるようです。
そのため、お互いをより知って、SecHack365をより楽しんでもらうために、「今〇〇でSecHack365がもっと楽しくなる」というお題でアイデアソンを実施することに。トレーニーには、14のグループに分かれてアイデアを出し合い、グループごとに1枚のプレゼン資料にまとめたあと、1分間で各グループから発表をしてもらいました。
そして、全グループの発表後に、実現してほしい!というアイデアに投票していただきました。みんなの投票で1位を選んだ他、トレーナーからも特別賞が選ばれました。
投票の結果
第1位は「15班:ご当地料理食事会!」でした!
続いて「Sonoda賞」は「12班:少数で雑談したい。」
「Asao賞」は「5班:ツッコミと茶番」
「Ytel賞」は「13班:変態のためのLT会」
今回のアシスタント企画は、セキュリティのことを度外視で、ざっくばらんに「どうしたらもっと楽しくなるか」をテーマにアイデアをだしあったことで、トレーニー同士の交流も深まったようです。
オンライン実施でリアルな交流が難しい状況ではありますが、このアシスタント企画のおかげで、交流の壁が低くなった印象を受けました。 この交流を機に、一緒に作品作りをする仲間を見つけたり、アドバイスをもらいたいときに気軽に声がかけられる仲間としてお付き合いが深まることでしょう。
トレーニーの感想※イベントウィーク&デイ後のアンケートから抜粋
アシスタント企画を終えて企画したアシスタントからのメッセージ
次回第4回イベントデイは、成果発表までの中間地点として「大きな発表会」を実施となります。
今年度は従来より早い段階で第4回で中間発表を行い、レビューを受けて第5回で再度発表と展示を行います。何度も発表することで、1月の最終発表に向け作品や発表のブラッシュアップができるのが、今年度のプログラムの特徴でもあります。
作品が進化する様子が客観的にもわかるので、最終発表に向けてこれからの成長が楽しみです!
「他のトレーニーが取り組んでいることを見てとても刺激になりました。
また自分たちのチームの作品のデモを見せ、フィードバックを頂いたので、無駄にしないよう活かしていきたいと思います。」