SecHack365 2022 / 1st Event Week2022.7.25

イベントデイ(6月11日・12日)
Day1(6月11日)プログラム01SecHack365事業説明
02自己紹介コーナー
03講義「法律と倫理」
04テーマトーク
01トレーナーを囲む回
02自己紹介コーナー
03講義「習慣化」
04テーマトーク
トレーナーの園田です。
オンラインでのちょっと狂騒的な助走を経て、6月11日(土)と12日(日)にSecHack365の第1回イベントがオンラインで開催されました。
初日はまず午前中のコースワークに始まり、午後のイベント本番は主催者である情報通信研究機構(NICT)のサイバーセキュリティ研究所、ナショナルサイバートレーニングセンターの面々による挨拶、オリエンテーション、事業説明のあと、自己紹介、自己紹介、自己紹介。弁護士北條孝佳先生と園田による法律と倫理のセッションのあと舞台をZoomからoViceに移してテーマトーク。テーマトーク。翌日午前もコースワーク。午後いちはトレーナーを囲む会と称してトレーナーによるお話とQ&Aのセッション。その後またまた自己紹介。自己紹介。佳山こうせつトレーナーによる習慣化セッションのあと舞台をZoomからoViceに移してテーマトーク(LT大会)。テーマトーク(LT大会)。
なおコースワークを両日ともイベント終了後の夜に行ったコースもあり、当日とは別な日に設定したコースもあり、そこも自由にやりました。ともかく、新トレーニーたちは非常に濃密な二日間を過ごしました。トレーナーやアシスタント、事務局も含め、全日程を終わったところで例外無くヘロヘロでした。
トレーニーからの全体の感想としては、
「(事前申告済みの)『興味あること』をタグ付けして部屋(ブレイクアウト)分けすることで、自分と近い趣味・興味を持っている方とたくさんお話しできたので楽しかったです。個人的には自分と近い興味を持っていない方ともお話がしたかったのですが、初回であるということから会話が回りにくい可能性を踏まえるととてもよい仕組みだったと思いました。」
「たくさんのトレーナーやトレーニーと話すことができて楽しかった。みんなでワイワイやる雰囲気がよかった。アナウンサーの方も居て、イベント全体としても盛り上がっていたと思う。」
「いきなり進捗報告とかから始めるのではなく、お互いの交流をすることで、心理的不安や相談しやすい雰囲気ができたから(良かった)」
「他のコースの人と交流できたのがとても有意義だった」
「体力はわりと消耗したが、講義・自己紹介共に勉強になる点が多く良かった。」
「自己紹介で他コースのトレーナー、トレーニー、アシスタントの方ともたくさん喋れて楽しかった。」
「趣味でグループ分けをして下さったので、初対面ではありましたが話が盛り上がったので良かったです。」
などの感想が寄せられました。
こんなにたくさんの自己紹介を行ったのはもちろんアイスブレイクのためですが、ただ集まって喋ってね、というのは芸が無いのでいろいろ工夫はしました。
自己紹介はZoomのブレイクアウトを用いて、3人一組となりアシスタントとトレーナーを加えて30分のセッションを1単位として実施しました。3人としたのは満遍なく喋ってもらうためで、自己紹介は基本誰でも喋るネタがありますし(趣味、特技、SecHack365で何を作りたいか、応募の動機、今までの成果や実績、トレーナーへの一言(任意)などを含むフォーマットは主催側で用意しました)、質問もしやすいからです。あらかじめ内部SNSであるbacklog上に課題として自己紹介ページを作成、それをベースに話してもらいました。グルーピングはこれまた設定してもらったキーワードの共起性などを参考に決め、共通の話題を見出しやすくしました。これらの工夫が功を奏し、どのセッションも良い感じに盛り上がったと報告されています。囲む会を入れて6回のトークセッションを設定しましたが、これでも全員とは話せない。oViceのややフリーな場でもまだ足りない。実際「もっと多くの人と、できれば全員と話す機会が欲しい」というトレーニーは例年少なからず居ますが、この二日でもせいぜい半分でしょうか(今年度は40名)。効率やフォーマットの変化など、工夫の余地はまだまだある。とはいえ大枠は良かったと感じています。まぁ大層疲れた様子でしたが(笑)。
アシスタントの竹田大将さんに依れば
「全体的にオンラインでの議論の仕方がうまい。すぐに画面共有でWebページを共有したり、エディタの今書いてるコードを見ながら話したり、チャットでURLや文献が飛び交ったり、初回から情報交換のパケット量が多く、自己紹介でみんなでまずはアイスブレイク〜ぐらいだと"個人的に"思っていた初回イベントだが、それをゆうに超えてそれぞれ圧倒的インプットになっていたと思う。TypeTalkの活発さや、eventスケジュールが1日終えるたびに「なんでかわからないけどすごい疲れた...」とトレーニーが口々に言っていることからもインプットとアウトプットにみなエネルギーを注いでいたことがわかる。」とのこと。
ヘロヘロさ加減が伝わってきますね。
同じくアシスタントの中山崇嗣さんのコメント。
「作品のアイデアから動機まで様々でとても刺激を受けました。小学生の頃からDebianを触っている人や、起業したい人までSeckHackに参加しないと交流できないトレーニーばかりだと感じました。特にトレーニー同士でエディタ戦争を聞いているのは面白かったです。」
エディタ論争は定番の盛り上がりネタですよね(笑)。
またoViceでのテーマトークについては、
「初日のoViceのテーマトークではトレーニーの首浦大夢さんの作りたい作品であるBluetooth関連セキュリティというとっても濃い話ができた。現状の問題や対策のアイディア、なぜその作品に興味を持ったのか、去年のトレーニーの作品の話等等。やっぱ、研究等は雑談の中でいろいろ話が進んでいくものだなーと実感。」というアシスタントの野本一輝さんのコメントがありました。

以下園田の気づきメモ。
・初日の初回に「音楽」で共起されたグループに参加したけど、好みの共通項が多いようでそれほど多くなくて、5名グループのうち2名ずつが「あれ良いよねー」と盛り上がってた感じ。まぁ音楽は個人的なものだし、もともとお勧めしてもよほどのことが無ければ合わない領域だし。逆に「音楽」というワードにそれほど共起されてないけどワード自体は共通項にあっただけ、という別セッションではみんな音楽けっこう好きでスピッツが好き、ということがわかって興味深かった。
・気がついたら全員何かの楽器をやってる、やってたってセッションもあった。バンドできるじゃん感
・SecHack365に選ばれただけあって、ものづくり大好きというか、手が既に動いているというか、そういう方々が多い。頼もしい
また、SecHack365への参加にあたっての契約を題材とした基本的な法律の考え方の話や、不正アクセス禁止法を題材とした講義+トークの「法律と倫理」のセッションについては、
「自分自身日本の現状のセキュリティについて理解していなかったがこんなにも近くに問題があることを知って危機感を感じることができた」
「法律について講義を受けることはあっても、自分から考えて、喋ってみたいな能動的な学習をしたことはなかったのですごく楽しかった。セキュリティを学ぶためにはまず法律を知ってなければならないという言葉にハッとさせられました。」
「法律に関しては何となくしか知らなかった。北條トレーナーが、SecHackの契約を例に説明していたところが分かりやすかった。法律の条文よりもその背景にある事柄が大切だと学ぶことができた。」
というコメントがありました。
また、セキュリティの現状認識+マンダラートを用いた目標分解の考え方のセッションについては、
「自分自身の課題として習慣化が難しいということがあるので、これを機に習慣化を身につけて行きたいと感じた。具体例や手法が提示されたことで、よりやってみようという気持ちが強くなった。」
「自身の習慣を見直す良い機会になりました。マンダラートを有効活用して有意義な生活を送れるようにしたいです」
「1年間モノづくりを行うためには、有意義な習慣化を行わなければならない。自分が成長するためにも、習慣付けて何かを行うことが大切だと分かった。いかにハードルを下げるかが、習慣にするうえで重要だと学んだ。」
などの感想が寄せられました。
法律の話はハードル高い印象がありますが、セキュリティの場合いろいろやろうとするとごく身近に法律が出てくるのでしっかりフォローしていって欲しいですね。なおこのシリーズは3回くらい実施する予定です。
イベントデイ以前に既に始まっている活動やイベントデイAMor放課後or別日開催のコースワークについてもレポートしておきましょう。
グループ開発をベースとする表現駆動コースは今年度5回のハッカソンサイクルを回すことを予定しています。既に1回目のサイクル(フェーズ1)を11日間で実施し、イベントデイAMのコースワークではその発表を行いました。短い時間の中で良く検討され、PoCを作ってきたチームもあったそうです。
思索駆動コースの様子は花田智洋トレーナーがレポートしてくれました。
花田トレーナー
両日ともにイベントデイプログラム終了後の疲れた時間帯に任意参加で実施。任意参加と言いつつも、思索駆動トレーニーは結果的に全員参加。思索駆動コースワークの特徴でもある1on1を実施。今回の1on1では、人生約80年分の1年を賭けてまで取り組みたいこと、その第一歩としてやりたいことについて、トレーニー同士で対話を実施。トレーナー、アシスタントはオブザーバーとして口を挟まずじっくりと傾聴するのみ。
6/11は各自2round、6/12は各自1roundの対話を実施。roundを重ねることによって、最初は規定時間(5分間)話しをすることで精一杯だったものが、伝えることやそれを受けて規定時間(5分間)相手に響く質問をすること等を急速にできるようになってきた。対話を重ねることで、各トレーニーのやりたいことの共通点、差異などが意識され、今後の1on1でさらなる踏み込んだ対話が(例年のように)期待される。
学習駆動コースは顔合わせ会を事前に実施、その中で園田担当のコンテンツゼミは作るモノのテーマについて議論しました。学習駆動コースはイベントデイの午前×2はペア輪講という枠組みでじっくりトークを展開しました。
他の研究や開発も、それぞれ活動を開始していて、研究はゼミを平日夜に開催開始、開発駆動仲山ゼミはイベントデイ後からトレーナー陣への突撃ディスカッションを仕掛け始めています。
今回のレポートはこんなところで。
取材協力:SecHack365 2022年度アシスタント。2022年度トレーナー+事務局。