SecHack365 2020 1st Event Week レポート

SecHack365 2020 / 1st Event Week2020.8.11

SecHack365-2020 1st event week

イベントデイ1日目(7月12日)

プログラム

01オリエンテーション

02お互いを知ろう!自己紹介タイム

03次回イベントデイの説明

04コースワーク

7月12日(日)、セキュリティイノベータを目指す選ばれし43人の若者たちが集結し、SecHack365 2020の幕が開けました。

7月12日~26日を「第1回イベントウィーク」とし、イベントウィーク中に2回の「イベントデイ」を設定しています。

初回となるイベントデイでは、これからどんなことをやっていくのか、どのようにものづくりを進めていくのか、気を付けるべき事は何かなどをお伝えするオリエンテーションと、今年のトレーニーたちがお互いを知る、自己紹介タイムがメインとなります。ここではその様子を少しみなさんにお伝えします。

自己紹介は、8グループに分かれて、グループ内で自己紹介を進め、これをグループメンバーを変えて3回繰り返すという方法をとって実施しました。

このセッションに先立ち、トレーニーたちには自己紹介データを準備し臨んでもらいました。

「SecHack365での所属コース」「応募した理由ややりたいこと」「所属している学校や企業」のほか、「趣味や特技」「好きなプログラミング言語はなにか」「最後の晩餐は何を食べたいか」など、自由に発表し情報交換をしてもらいました。

初顔合わせということもあり、どのトレーニーも最初は恥ずかしながら話をしていましたが、自分の興味関心事、SecHack365への熱い想いを語る際には、ひときわ目を輝かせ、恥ずかしかったことも忘れて夢中に話すようになっていたようです。トレーニー同士積極的に質問をし合うことで会話が弾み、お互いをより深く知る機会となったと思います。

時間はあっという間に過ぎ去り、後ろ髪を引かれる思いで、第1回のイベントデイは終わりました。

第1回イベントデイを終え、次からはもの作りへの一歩を歩みだします。今回の交流がこの先どのようにもの作りに活かされるかが非常に楽しみです。

なお、イベントデイ開催にあわせて、トレーナーによる動画コンテンツも提供。
従来の合宿形式の集合回で実際に指導していた内容を、トレーニーの都合の良い時間に視聴できるようになっています。

トレーニーに公開されたコンテンツ例

  • ・佳山こうせつ「SecHack365習慣化×マンダラート ~ why × why × why ~」
  • ・久保田達也 「アイディア発想法その1・その2」
  • ・坂井弘亮 「ライブコーディング・簡易実行ファイル解析ツール(前編)(後編)」
  • ・園田道夫 「SecHackに役立つ習慣化シリーズ(1)」
  • ・衛藤将史 「NICTはどんな組織?」
  • ・佐藤公信 「親和図を使ってみよう」「マインドマップを使ってみよう」

イベントデイ2日目(7月26日)

プログラム

01オリエンテーション

02(仮)SecHack365専門家会議

03(仮)SecHack365専門家会議 チーム発表

04(仮)SecHack365専門家会議 審査結果発表

05習慣化セッション(佳山トレーナー)

06クロージング

2回目のイベントDAYが開催されました。前回のイベントDAYから2週間、この間にはコース毎に「コースワーク」や「トレーナーを囲む会」が実施され、少しずつSecHack365トレーニーとして作品作りへの意欲や仲間意識が芽生えて来た時期かと思います。
オンラインでありながら、トレーナー、トレーニーの交流はいつも以上に活発な様子。

まず最初は「(仮)SecHack365専門家会議」。トレーニーたちが「セキュリティ人材育成の専門家」として、アイデアをまとめてプレゼンを行います。 「セキュリティイノベータを爆増させるための手法を考え、SecHack365政府に提案する」というお題のもと、各チームごとに「実現可能性」「奇抜性」「新規性」の3点で競い、審査の上「特別賞」2チーム、「優秀賞」1チームが選ばれます。

所属コースの異なるトレーニーとチームを組み、ワークが始まりました。トレーナーはアドバイスのみ、トレーニーたちでアイデアディスカッションを行います。最初のうちは戸惑いながら始まった様子でしたが、時間の経過と共に意見なども活性化し、チーム力も徐々に高まりを見せました。ささやかながら賞品もあるという事も盛り上がりに一役買っていたようですよ!

そしていよいよプレゼンの時間。
どのチームも、たった2時間で考え出した提案内容とは思えないものばかりで、そのアイデア力の高さ、プレゼン資料の出来栄えの高さに驚かされました。

全体を通し、課題として出てきたものは

  • ・セキュリティに興味を持つきっかけがない
  • ・セキュリティは敷居が高い/難しそうというイメージ
  • ・職業として憧れがない(何やっているかわからない)
  • ・何から学べばいいのかわからない

と言った内容が多く、また対象としては、初学者や小学生に視点をおいたものが多く感じられました。

手法としては、
「セキュリティ人材=かっこいい」というイメージ戦略を駆使する手法、こどもたちが楽しくセキュリティを学べる支援や環境作り、セキュリティヒーロー番組の制作、セキュリティアイドルの結成などなど、真面目なものから、面白い内容のものまで、チームの個性がでているユニークなものばかりで、幅広い提案内容でした。

残念ながら提案内容の詳細すべてをご紹介はできませんが、各チームの提案タイトルは以下の通りでした。

  • ・チーム田田田田(でんたたた) 「セキュリティ秘密基地(かっこいい制服)」
  • ・チーム酔いどれカーニバル 「脆弱戦隊エクスプロイジャー」
  • ・チームどうぶつの森 「あつまれ せきゅりてぃの森」
  • ・チーム海鮮丼 「Scratchを学ぶセキュリティ」
  • ・チームうなぎ 「宣伝駆動コース」
  • ・チームU.S. of.A 「セキュリティ特区を作ろう」
  • ・チーム無礼講 「セキュリティカレー」
  • ・チーム虚無 「セキュリティ難しくて虚無」
  • ・チーム<scr1pt>@lert(365)</scr1pt> 「セキュリティ人材育成に向けたセキュリティ人口増加策」
  • ・チームいちごパフェ 「サイバー戦隊セキュレンジャー」

チーム発表を成し遂げ、初めてのグループワークで手ごたえを感じたトレーニーも多かったのではないでしょうか。

審査の結果、優秀賞をGETしたのは、「チーム虚無」でした。
特別賞は「酔いどれカーニバル」、「<scr1pt>@lert(365)</scr1pt>」が受賞。
優秀チームの感想は後日公開予定なので、お楽しみに!

(仮)SecHack365専門家会議 優秀賞インタビュー

  • SecHack365-2020_01_01
インタビューの詳細はこちら

習慣化セッション

次に、佳山トレーナーによる習慣化セッションです。マイマンダラートピッチとグループワークでは、専門家会議と同チーム内で自分の書いたマンダラートをチームメンバーに対しショートプレゼンを行い、メンバーの「すごいと思った小目標」「面白いと思った小目標」「多かったキーワード」などをまとめました。

マンダラートは、「こうなりたい」「こんなモノを作りたい」と言った、これから思考や発想を深めたい課題を9つのマスの中心に書き、その周りのマスに課題に必要な事柄を書き込みます。そしてその8つの事柄毎に、小さな目標や思考、発想を更にアウトプットしていき、自己整理の習慣をつけるというものです。

もの作りをするにあたり最初から大きな目標を掲げるのではなく、

  1. 頑張らないで頑張るための手段のひとつとして小さな目標を掲げる
  2. 目標を細分化して自分の習慣に染みこませる
  3. SecHack365が終わった後もこれを継続することで、自分の成長につなげる

佳山トレーナーはこうトレーニーに説明します。

また、今回のプログラムでは、他のトレーニーの小さな目標を参考にし、イイ!と思ったものは自分の目標に取り入れてみよう!とも提案されていました。
一見何でもなさそうな小目標でも、他人からすると、すごい!と思うことだったり、自分では思いもつかない面白い小目標を書いている人がいたりで、他者のマンダラートからも学びは大変多かった様です。
他のトレーニーの良いと思った小目標を自分の小目標に取り入れ、来年3月の成果発表に向けモノ作りに励んでいただきたいと思います。

イベントウィーク(7月12日~7月26日)

Zoomでトレーナーを囲む会

イベントウィーク中の平日夜間に「トレーナーを囲む会」として、zoomを使ったトレーナーによる独自のセッションを開催しました。コースに関わらず自由に参加が可能で、トレーナー紹介ではわからなかった人となりや、ライブでしか聞けない内容が盛りだくさんでした。

ここでは今回実施したセッションリストをご紹介します。

実施内容

01佳山・今トレーナーセキュリティ現場の表話(SecHack365も)、裏話

02園田トレーナーイベントの作り方(第1回)REPORT

03猪俣トレーナー研究者になってみよう。大学教員になってみよう。REPORT

04横山トレーナーエンジニアの仕事と価値創造、社会貢献、お金儲け

05猪俣トレーナー暗号も考えてみよう

06佐藤トレーナーThink Inovation イノベーションとはなにか?をゆるゆる考えてみますREPORT

07坂井トレーナーものづくりが好きな人が,将来的にものづくりを続けていくためのライフハックREPORT

08井上トレーナー組込みセキュリティとはREPORT

09花田トレーナーコミュニティとキャリアと私

10くぼたつトレーナーKittyとディズニーランドの仕掛人と語るアイデアの夕べ(東急ハンズもね!)

11今・安田・佐藤・園田トレーナーこだわりの話REPORT

12横山トレーナーネットワーク基盤技術、基盤技術と社会実装、(変な)大学教員の働き方

13園田トレーナーイベントの作り方(第2回)


特別ライブセッション(7月23日)

「SecHack365で作るものについて(1)法律・倫理特別セッション」

出演: 園田トレーナー
スペシャルゲスト: 北條孝佳先生(西村あさひ法律事務所 弁護士)

不正アクセス禁止法というセキュリティ分野でいろいろするときには無視できない、セキュリティの際に近いところが関係してくる法律について、具体的で身近な例を引いてわかりやすく説明。Q&Aを用いながらの解説も興味深い内容で、トレーニーからは具体的にどんな事に気をつけるのかなど質問が相次ぎました。法律の知識はセキュリティにも深く関わってきますので、今後も引き続き講義の時間を設け、トレーニーにお伝えして行きたいと思います。

トレーニーの感想※イベントウィーク&デイ後のアンケートから抜粋

  • 予想以上でした。オンライン開催で、人とのコミュニケーションが不安でしたが、イベントデイやコースワークを通して多く喋れたので良かったです。
  • セキュリティ系の人といっても多種多様な人々がいて,そうした人たちとセキュリティに関するグループワークなどで交流を深めることができたので,それは応募時の期待に応えるものであったと思う。一方で,初回であって交流を目的としたからか,意外に技術寄りの要素が少なかったなと感じた。
  • テスト週間と丁度重なっていたため忙しかったことしか頭に残っていないが、自分のTwitterでのつぶやきを見る限りだと、かなり有意義なものであったと思う。
  • イベントデイはとても楽しく、いい経験になったと思っています。ものづくりをするのに必要な環境はしっかり整えてくださっていると思うので、これからは自分がもっと積極性を出していこうと思いました。
  • SecHackでやることや目指すものが大体分かり、他のトレーニーの方々と交流したり有益なアドバイスを頂いたりすることができたので、とても満足です。

アシスタントの感想

室田 雅貴
  • 室田 雅貴
  • 2017年度修了生
  • 担当コース:表現駆動コース
アシスタント目線でのイベントウィークの感想

今年度はオンラインでの開催ということで、最初のアイスブレイクからチームビルディングをリモートで行うのは難しそうに思われました。とりわけ、表現駆動コースはイノベーションを創造するためのハッカソンコースですので、チーム作りが非常に重要になってきます。しかしながら、イベントウィーク初日の一瞬で氷は解け、スムーズにハッカソンに入れていた様に思います。 基本的にはオンラインホワイトボードツールを使ってアイデア出しとディスカッションをしていましたが、リモートネイティブであるトレーニーの皆さんのツールへの慣れの早さ、柔軟さを感じました。
次第にディスカッションも白熱し、各チームしっかりとアイデアを形にしていました。
プレゼンテーションでは、2週間という短い時間での成果とは思えないようなアウトプットがしっかり出ていたと思います。2分で自分たちのアイデアを説明し共感してもらうのは非常に難しいですが「伝える力」がないと、どんなに良いアイデアでも価値にはなりません。

現役トレーニーにひとこと!

今後SecHack365を通して、自分で創ったモノをしっかりと他の人に伝え、仲間を作りながらイノベーションを起こせるように成長していって欲しいと思いました。最大限のサポートをしていきます。

麻生航平
  • 麻生 航平
  • 2019年度修了生
  • 担当コース:学習駆動コース
アシスタント目線でのイベントウィークの感想

アシスタントという立場ですが、トレーニー同様にイベントウィークを楽しませてもらっています。トレーナーを囲む会は、オンライン開催のおかげで、今まで以上に広く、そして深くまでトレーナーのお話を聞けるようになりました。
今年度のトレーニーは、とっても愉快で興味深い人たちが集まっていて、これから関わっていけるのが楽しみです!トレーニーに溶け込むつもりで交流していきたいと思います。

現役トレーニーにひとこと!

SecHack365のトレーニーでいられるのは、一生のうちたったの1年です。このメンバーで共に過ごせるのも、とても貴重な時間です。やらないで後悔することのないように、前のめりの姿勢で挑んでください。失敗してもいいんですから。

西尾 勇輝
  • 西尾 勇輝
  • 2019年度修了生
  • 担当コース:思索駆動コース
アシスタント目線でのイベントウィークの感想

去年トレーニーを経験しましたが、今年はオンライン開催となり、イベントウィークは初めての経験でした。オンラインでもわいわいと盛り上がる感じになってよかったです。イベントウィーク中に、思索駆動コースでは、毎年恒例の自己紹介、オンラインゼミ(名称はオフラインがあった頃の名残)、1on1をしました。26日のイベントデイでは、午前にコースワーク、午後は全体のイベント、そして夜にもコースワークと、みっちりやりました。僕もヘトヘトになりましたが、朝も昼も夜も発表があったトレーニーはもっと大変だったんですよね…。

現役トレーニーにひとこと!

今回自己紹介をして知り合ったひとりひとりがそれぞれ面白い作品を作っていくと思うと、とてもワクワクします。特に思索駆動コースの方とは、コースワークを通してそれぞれ考え方や取り組みたいテーマも知りました。これからそのテーマについてどう思索して、どう形にしていくのか。とても楽しみです。

小松聖矢
  • 小松 聖矢
  • 2018年度修了生
  • 担当コース:研究駆動コース
アシスタント目線でのイベントウィークの感想

今年度は新型コロナウイルスの影響もあり,例年であれば神奈川県で行われるオフラインイベントもオンラインでの「イベントウィーク」という形で行われました。詳細は全体のレポートでも紹介されていますが,事務局やトレーナーの方々の企画により,オンラインならではの交流やアイスブレイクを楽しめたと思います。
研究駆動コースでは全体イベント後にコースワークを行い,各々のプロジェクトの紹介とそれに対する議論を行いました。どのプロジェクトも興味深く,また,現状の課題点と自分なりのアプローチ,関連研究が示されており楽しく発表を聴かせて頂きました。

現役トレーニーにひとこと!

SecHack365 のトレーナーのような一流の研究者・技術者の方から,1 年の間指導を受けられる機会はなかなかありません。大学や高校でもオンライン講義が行われるなど忙しい日々が続きますが,イベントウィークや提供されているコミュニケーションツールを活用して,トレーナーやトレーニーとたくさん議論・交流してみてください。

トレーナーからのメッセージ

横山 輝明
  • 横山 輝明
SecHack365 トレーナー長の横山輝明です。

今回は、運営にとっても初めてとなる、オンラインでのイベント回の実施となりました。

トレーニーにとっては、SecHack365での初めての顔合わせです。全員での同時参加型のイベントを提供するイベントデイでは、半日ほどで、自己紹介や交流のためのアイデアソン体験を実施しました。小グループを作り、自分が関心のあること、SecHack365で作りたいものなど、いろいろな内容での自己紹介を実施しました。また、イベント期間全体のイベントウィーク中では、トレーナーたちを囲む座談会や、録画した講義などを提供しました。トレーニーたちも思い思いのトレーナーたちとの対話や、講義を楽しんでいました。僕もひとつ囲む会を開講、ネットワーク技術に興味あるトレーニーたちとの対話を楽しみました。

これまでは合宿形式で実施していた内容をオンライン実施できるのか?どのような内容にするべきか?始める前にはさまざまな迷いや不安もありましたが、いざ実施の結果からは、トレーニーやトレーナーたちの交流の大変な盛り上がりを見せてもらいました。完全オンライン実施のためか、イベント前からもオンラインコミュニケーションもとても盛んで、トレーニーやトレーナーの協力のおかげで各イベントも、スムーズにオンライン実施ができました。トレーニーたちにとっても、自分のことを知ってもらう、トレーナーたちのことを知ることができたのではと思います。

SecHack365では、トレーニーたちはお客さんではなく、一緒になって一年の活動を作り上げていく参加者だと考えています。オンラインという形態にて、これからも共によいところやたりないところを考えて、これまでにない一年にしたいですね。イベントが終わって、次のイベントまではトレーニー各自の作品づくり、コース毎のコースワークが始まっています。今年度のみなさんの成果がどうなるのか、とても楽しみです。みなさんの活動も頑張ってください!

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