「SecHack365」は次世代のサイバーセキュリティを担う人材育成のためのハッカソンプログラムです。
国立研究開発法人情報通信研究機構( NICT )が手掛けるこのプログラムは、単に技術や知識をインストールするだけでなく、自ら頭と手足を動かし社会を変えていく「人間づくり」に取り組むものでもあります。
一般的な「ハッカソン」や「人材育成」と異なるこの取り組みについて、SecHack365のトレーナー(横山輝明)とアシスタント(野本一輝、古川菜摘 ※ともに修了生)がご案内いたします。
横山 輝明 トレーナー
(国立研究開発法人情報通信研究機構)
野本 一輝 アシスタント
研究駆動コース修了生
(早稲田大学大学院 情報理工・情報通信専攻)
古川 菜摘 アシスタント
開発駆動コース修了生
(三井物産セキュアディレクション株式会社)
「SecHack365」は25歳以下を対象とし、ハッカソンを軸にした1年間のプログラムを実施しています。
単にセキュリティに精通した人を育てるのではなく、自分で技術をつくり他人に伝えられる人を育てることを重視しています。
技術や知識だけでなく、コミュニケーション能力や課題設定能力、問題解決能力を身につけられることがSecHack365の特徴です。
[開催概要]
ぼくはもともと大学でサイバーセキュリティについて研究しており、さらに知識を深めるためにSecHack365へ参加しました。技術や知識はもちろんのこと、学業とSecHack365の活動を両立させる方法や考え方を学べたことはとても大きかったですし、今もそのおかげで研究の時間を確保できている気がします。こうした習慣化はSecHack365に参加していなかったら絶対に身に着けられなかったものだと感じます。
私も大学の研究室でサイバーセキュリティを扱っていて、プログラミング言語に関する知識を深めたくて応募しました。
さまざまな人と対等な立場でたくさん議論できたことが印象的でしたね。トレーニーとはもちろんのこと、トレーナーとの間でも積極的に議論しますし、ときにはトレーニー、トレーナー、アシスタントといった立場に関係なく激しく議論することもあって。立場を気にせず対等に議論できたことが、すごく人生を豊かにしてくれたと感じます。
SecHack365では、1年のプログラムを通じて、気になることに手を動かしたり、他人に伝える体験をしてもらいます。セキュリティやICTに興味がある人、何をしたらいいかわからないという人たち、開発や制作が好きな人の参加を歓迎します!
[トレーニー作品]
サイバーセキュリティを追求したい人もいればプロダクトをつくるなかでセキュリティを考えたい人もいますし、いろいろな考え方の人が集まっているからこそ議論も盛り上がった気がします。「表現駆動コース」や「学習駆動コース」、「研究駆動コース」などコースによって注力したい領域が異なるのも刺激的でした。
作品制作で重視することに応じて、5コースを用意しています。考えるよりもまずは作ろうというコースもあれば、作る前にしっかり考えようというコースもあったりします。全体行事での実施内容や、作る・見せるを繰り返すことは、参加者全員で実施します。コースの違いは、コース説明や応募課題を見てみると、よくわかると思います。
[コース概要]
トレーナーは参加者のアイディアの創出や研究・開発のサポートをします。また、各イベントでもゲストを招いています。
セキュリティやそれ以外も含めた専門家の方に参加いただいており、その専門家の方々と自由に交流できて、指導をもらえる場を用意しています。
決まりきったルールに縛られず、社会課題などを実際に解決する上でも重要なクリエイティビティとセキュリティを両立を目指すという点で数少ない教育プログラムだと思います。
SecHack365はアウトプットを定めていないからこそ豊かな場を生み出せているのだと感じます。
[トレーナー]
ぼくは今後企業に就職しつつサイバーセキュリティの研究を続けていくつもりです。SecHack365で学んだことを活かしながら、きちんと社会の役に立つセキュリティの研究に取り組んでいきたいですね。
私はすでにセキュリティベンダでエンジニアとして働いているのですが、サイバーセキュリティの領域は複雑化・多様化が進んでいると感じます。今後は技術に詳しいだけでなく、ビジネスやプロダクト、組織といった領域の知識も身につけながら、より幅広くセキュリティを考えられるようになっていきたいと思います。
[修了生]
2023年度プログラムの募集開始は4月18日(火)14:00です。
プログラム概要と募集要項は公式Web、公式Twitterで公開していきます。
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[SecHack365 Twitter]
TBSラジオ「アシタノカレッジ」(2023年2月24日放送)の番組内でも紹介されました。こちらもぜひご覧ください。
(上記放送の50:50~からインタビュー)